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早期発見の重要性

微細な認知機能の低下が認められる軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)の段階で早期発見し適切な生活習慣改善などの予防やリスク要因への介入を行うことにより認知症への移行、発症を遅延させることができるとする調査報告も多数報告されています。
厚生労働省は平成25 年6月1日の研究班調査推計で国内認知症人口が462万人に達しその予備軍とされるMCI人口も400万人存在すると発表しています。
また、団塊の世代が75歳となる2025年には、国民の4人に1人が75歳以上となり認知症人口は現在の約1.5倍となる700万人と試算されています。

世界に類を見ない超高齢、長寿国である日本は、世界のいずれの国も未だ体験したことのない人口シフトを目前にしています。世界的にも社会問題とされ、予防やケアモデルの模索が急速に求められている認知症。
国民一人ひとりのQOLのため、そして、国家としても早期発見・対応(予防・ケア)の体制と習慣の定着がもとめられています。


一般的な軽度認知障害の早期発見の方法論:脳ドック

日本脳ドック学会の「脳ドックガイドライン2014」においても、脳ドックにおける認知機能スクリーニング検査として組むとすれば、おそらく30分ほどで施行可能なものが便利であるとし、定期的な認知機能スクリーニング検査の必要性が示唆されています。

推奨)
(1) 本人や家族が認知症を心配して受診した場合や,問診上あるいは画像診断上その疑いがある時には認知機能のスクリーニング検査を行うことが推奨される。
(2) 認知症や潜在性脳血管障害と関連してうつ症状やアパシーなどの症状が出現することがあるので,うつ状態やアパシーのスクリーニング検査も必要に応じて行う。
(3) スクリーニング検査の結果,認知症やうつ病が疑われた時には,専門の医療機関での精査を勧める
物忘れの自覚や主観的な認知機能の低下は,客観的な記憶力低下や海馬などの脳萎縮と関連があり、その後の認知機能低下やアルツハイマー病の発症へと進行する可能性があるとされる。
MCIの段階での早期治療・介入によりアルツハイマー病の予後を改善できる可能性があるので,“主観的”な訴えといえども軽視すべきではない。

(日本脳ドック学会 脳ドックのガイドライン2014 改訂・第4版 より)

早期発見と症状の進行


MCI患者に対する一般的な対応とは(※

①MCIについて患者や家族に説明
②認知症発症の予防効果が期待される 生活習慣病に対する指導や治療
③非薬物的アプローチの紹介
④MCIについては「認知症とは診断されないが、年齢相応の認知機能よりは低下している グレイゾーンであることを教育

※第104回日本精神神経学会総会 精神経誌(2009)111巻 1号 軽度認知障害(MCI)(MCI)症例にはどう対応すべきか?
水上勝義(筑波大学大学院人間総合科学研究科精神病態医学)


あたまの健康チェック(MCIスクリーン)は認知機能の一般的な評価を提供することを目的とします。
認知機能に関与し得る病状または病気を診断する、あるいは、治療することを目的としたツールではありません。