あたまの健康チェック®(以下、本スケール)は、信頼性と妥当性が確保された代表的な認知機能検査であり、研究、臨床、保健活動において広く用いられている。
特筆すべきは健常者と軽度認知障害(MCI)を有する者との判別力が高く、精度97%、感度95%、特異度88%と報告されている。
これは、現状で一般的に実施される各種認知機能検査より高精度であるといえる。
認知症の予防のためには、対象者の異常を早期に発見し予防活動を推進することが重要であり軽度認知障害(MCI)のスクリーニングは重要な役割を持つ。
本スケールは、地域保健活動における潜在的な認知症予防の対象者の把握、経時的な状態把握を通じた対象者の予防意欲促進、
そして、予防活動の定量的な予防活動の効果計測に有益であり、広く活用されることが望まれる。
検査を広く実施するためには、多様な状況下での実施可能性の高さが求められるがこの点においても本スケールは利点を持ち、短時間で専門職でない検者でも実施可能であり地域保健活動でも十分導入が可能となっている。
今後の課題は、アミロイド蓄積等の病理変化の推定が可能かどうかだが、近年アミロイドイメージングとの関係を検討する報告もなされてきており、より早期の段階で認知症予防活動を推奨すべき対象者を非侵襲的に特定することができるかもしれない。
以上の点から本スケールは、認知症予防のスクリーニング検査として有用であると考えられ、今後のさらなる展開に期待したい。
The MCI Screen is electronically guided to insure reliability of administration and has been shown to both have high test/re-test and inter-rater reliability. The MCI Screen is paired with a scoring algorithm that distinguishes among patterns of cognitive performance consistent with normal aging or MCI. The MCI Screen generates a Memory Performance Index, scored from 1-100, useful in tracking performance longitudinally.
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認知機能が低下しはじめたことに早く気づき、認知機能低下のリスク要因となる疾病・疾患の管理や知的な活動や社会参加、
継続的に適度な運動を行うなどで認知症への移行を予防することはとても大切です。
まだ認知機能が健全である頃から自身の状態を把握できる環境は、意識・知識の向上や予防活動の促進を考える時には今後の必須条件と言えます。
あたまの健康チェック®(MCI Screen)は、これまで認知機能の評価を受けることの無かった未だ認知機能が健全とされる就労者が
健診の場面で有用に活用しえるスケールであり、超高齢社会における健康増進、認知機能低下予防、高齢労働者の労働衛生管理などの領域での活用が望まれ、健常群からMCI群を対象とする国内研究においても安定した指標としての利活用が期待されます。
認知症人口の大幅な増加が推計されている中、予防医学の観点からは、広域な認知機能スクリーニングや予防教育の実施が必須ですが、
従来の認知機能検査法は、健常~MCI群の評価や若年層の評価が難しいという課題がありました。
あたまの健康チェック®(MCI Screen)は、従来法では評価の難しかった認知症を発症していない若年層の認知機能の状態を
定量的な客観データとして観察できる手段であり、米FDAにおいても新薬治験時にも採用されるなど国際評価も高いスケールです。
健常群~前臨床期群~MCI群を対象とする予防介入研究や内分泌・循環器にかかる研究における認知機能指数として大変有用であり、
抗加齢ドックの検査項目やMCI外来、研究時の指標として、当学では2005年から採用しています。
昨今産業界では、健康経営や働き方改革が推し進める高齢者雇用促進が注目され 就労者の健康増進による将来的な生産性の向上を目指す動きが多く見られる一方、 2025年に60歳代(認知症罹患率が高くなる)を迎える就労者への認知症予防に向けた情報提供や 予防活動の機会を提供する体制整備は不十分であるのが現状です。 また認知症は、介護が必要となった主たる原因第1位でもあり今後働き世代である40-50歳代の管理世代において 親の介護のための離職が一層増加することも懸念されています。あたまの健康チェック®は、 これまで認知機能の評価を受けることの無かった就労者でも受けられ体重や血圧のように誰でも数値で自身や家族の状態把握ができる指標として、 健康増進活動の促進や知識向上のきっかけとなり得るこれまでにない指標であり、 健康起因事故防止や職業寿命の延伸、介護離職予防に繋がる企業の活動を後押しすることが期待され、 当研究所でも会員向けサービスとして展開しています。
運輸業界では慢性的な人手不足によるドライバーの高齢化が顕著であり、安定した安全運行を実現する上では健康起因事故防止の取組みは必須といえます。
国土交通省では、脳と心臓に起因する疾病・疾患の予防や定期検査を重点課題とされています。
脳の病変と認知機能変化には相関性が見られるとされ、当NPO法人が検査普及を進めているSASと認知機能の状態にも高い関連性が示されることから、
職業ドライバーへの定期チェックが勧められます。
簡易認知機能スケール あたまの健康チェック®は、75歳以降免許センター等で実施されるような従来のいわゆる認知症チェックとは異なり、
「認知症ではない方のため」の認知機能スケールであり、運輸事業者による定期チェックの実施は就労環境における労働衛生管理や
職業寿命延伸促進の一環として有用であると言えます。今後、運輸業界において、一層の普及が見込まれることから
全日本トラック協会受託事業である「運輸ヘルスケアナビシステム」においても認知機能の状態を示す値を入力、管理できる仕様としています。
私たちNeUが提供する「Active Brain CLUB」は、
日々のトレーニングによって脳の機能をよくしていくことを目的とした「脳トレ」サービスです。
一方「あたまの健康チェック®」は、今の脳の機能レベルについて電話インタビューを通して評価する
「チェック」のサービスです。
評価というと身構えてしまいますが、日々「脳トレ」をすることによって脳の機能は上がっていきますので、
どのくらい上がったかを定点観測することで、今の自分の状態をより正確に把握できますし、
過去の自分と比較して、評価が上がれば継続してがんばるモチベーションに、
評価が悪くなったら生活習慣を見直すきっかけにするなど、
長期的に認知機能を維持・向上していくための有効な指標となります。
「Active Brain CLUB」のトレーニングと「あたまの健康チェック®」をセットで行い、
楽しみながら脳の機能アップに取り組まれることをお勧めします。
簡易認知機能スケール あたまの健康チェック®は、2019年3月付で、神奈川県庁により「ME-BYO BRAND」に認定されました。
優れた未病産業関連の商品やサービスを、神奈川県が「ME-BYO BRAND」として審査・認定する制度。 生活習慣改善、ロコモティブシンドローム、メンタルヘルスケア等の社会的課題の解決に向けて、 意識・行動変容に繋がるもの、未病産業をリードするトップランナーとしてふさわしいものが認定される。