あたまの健康チェック®(以下、本スケール)は、
信頼性と妥当性が確保された代表的な認知機能検査であり、
研究、臨床、保健活動において広く用いられている。
特筆すべきは健常者を対象とした機能評価において高い精度が報告されており、
これは、現状で一般的に実施される各種認知機能検査より高精度であるといえる。
認知機能低下を予防するためには、対象者の微細な機能変化を早期に発見し
予防活動を推進することが重要であり認知機能の定期スクリーニングは重要な役割を持つ。
本スケールは、地域保健活動における潜在的な認知機能低下予防の対象者の把握、
経時的な状態把握を通じた予防意欲促進、そして、定量的な予防活動の効果計測に有益であり、
広く活用されることが望まれる。
検査を広く実施するためには、多様な状況下での実施可能性の高さが求められるが
この点においても本スケールは利点を持ち、短時間で専門職でない検者でも実施可能であり
地域保健活動でも十分導入が可能となっている。
本スケールは、市民スクリーニング法として有用であると考えられ今後のさらなる展開に期待したい。
あたまの健康チェック®では、従前の認知機能評価法が行う、
認知症の有無や認知症の進行度の推測はできません。
あたまの健康チェック®は、もの忘れの訴えのない方に、
あたまの健康状態に関する目安を独自指標であるMPI値を用いて提示し
あたまの健康維持・増進や、疾病の予防・早期発見の意義を理解し、
関心を持つきっかけとなることを目的としています。
これまでの健康無関心層が健康活動を始めるきっかけ創りにもご活用ください。
簡易認知機能スケール あたまの健康チェック®は、2019年3月付で、神奈川県庁により「ME-BYO BRAND」に認定されました。
「ME-BYO BRAND」とは
従来の検査法では、受検者の拒否による検査実施の難しさが、しばしば課題として挙げられています。
あたまの健康チェック®は、認知症ではない方健康な方向けの認知機能スケールであるという特性や
10単語想起のチャレンジングなトライアルにより構成されて学習効果もなく、
「認知症チェックを受けたくない」「馬鹿にされた」等の拒否ケースが最小限となるようデザインされています。
人手不足は慢性的な課題であり、人員削減策は必須の戦略と言えます。
しかしながら、認知機能評価において検査環境の保全をするためにも必要最小限の人員が求められます。
あたまの健康チェック®は、検者の職能を問わないため、医師や心理士、
その他のコメディカルの人員配置が必須要件ではありませんので、評価精度を低下させることなくどなたでも操作をいただけます。
健康増進事業や介護予防事業の対象者は、要介護認定を受けていないまだ健康な方々です。
健康で認知症の疑われない方々の評価は従来の認知機能検査法が不得手な領域でした。
あたまの健康チェック®は、健康増進事業や介護予防事業に参加される健康で認知症の疑われない方々の
認知機能観察に適しており、予防介入の効果を定量的にアウトカム評価する際に最適です。